おしえて!小麦ごはん
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世界のパンMAP
紀元前6000年から20世紀まで、8000年の時を経て発展していった各国のパン。それぞれ個性豊かな味わいで食卓を賑わせてくれます。日本では、わずか400年ほどのあいだに急速にパン文化が浸透していきました。
Column 日本のパンの歴史
日本人が初めて「パン」に出会ったのは、天文12(1543)年、九州の種子島にポルトガル人が漂着したときでした。鉄砲をもたらしたとしてあまりに有名なこの出来事を通じ、ポルトガル人が持ち込んだ「南蛮文化」のひとつとしてパンがあったのです。
米食を主とする日本人には、パンはなかなか馴染みませんでしたが、日本のパンの大きな転換点が、幕末にやってきました。戦時の兵糧食として、携帯に便利なパンが注目されたのです。伊豆韮山の代官・江川坦庵が最初に兵糧パンの開発に取り組んだとされ、のちに「パン祖」と呼ばれるようになりました。
各藩がこぞって兵糧パンの開発に取り組み、それが成功すると、一般にも受けいれられるパンの開発がはじまりました。明治7(1874)年、酒種からつくったあんパンが、木村安兵衛によって売り出されました。これを皮切りに日本独特の菓子パンが続々と登場し、明治10(1877)年には、木村屋がジャムパン、明治37(1904)年には中村屋がクリームパンを発売。このような菓子パンの台頭を契機にして、日本のパンは、今日のように、世界に類をみないほど多種多様化していったのです。ちなみに天保13年(1842)4月12日に江川坦庵が初めてパンを焼いたことから、パン食普及協議会では毎月12日を「パンの日」と定めています。